飛行ゲームの98％が嘘をつく理由：誰も語らない真実の物理法則

私はアビアリーコアというリアルタイム飛行動力学エンジンの開発に携わった経験があります。あるデモで、マッハ0.7で突然機体が逆転したのは、角加速度下でのジャイロスコピックプレセッションを無視した数値積分のバグによるものでした。

この失敗から学んだことは一つだけです——現実の飛行はドラマではなく、結果のある数学です。

操縦感覚の幻想：ゲームがリアルさを台無しにする仕組み

多くの「飛行ゲーム」は入力と反応が瞬時です。しかし実際には、大型旅客機はコントロール操作後3～5秒かけて反応します。慣性と空気力学的な遅れがあるのです。しかし大多数のゲームでは、まるで戦闘機のように即座に反応します。

これは単なる不正確ではありません。訓練用に使われる場合、実際に危険な誤認を生みます。

「インスタントレスポンスのゲームで訓練すると、風切乱や自動操縦解除時の筋肉記憶は通用しなくなる」 — ドクター・エレナ・トーレス（フライトダイナミクスジャーナル2023年）

ゲームが隠す5つの真実の物理法則

1. ライフ係数は線形ではない

ゲームでは迎角（AoA）と揚力が滑らかに比例すると仮定されていますが、実際には15°前後でピークを迎えその後急激に失速します。商業機パイロットは常に失速回復訓練を行います。

2. 抗力は思ったほど増加しない？

高速移動時に波抗力と皮膜摩擦によって抗力は指数関数的に増加します。しかし多くのゲームでは平坦な抗力曲線を使い、超音速旋回が簡単に感じさせます。現実は数千馬力を要するでしょう。

3. ヨー-ロール結合を見逃す危険性

掃引翼機（例：ボーイング737）でラダー操作を行うと、「逆ヨー効果」として先に横転します。ほとんどのゲームではこれを無視しています（AviaryCoreのみ対応）。

4. 大気密度こそ命取り

高度変化により空気密度が変化し揚力・推進効率に大きな影響を与えますが、多くのゲームでは海面上しかシミュレーションしません。着陸段階での温度逆転や気圧勾配への適応が必要です。

5. パイロット反応時間 ≠ ゲーム入力遅延

人間の平均反応時間は約210msですが、ゲームエンジンはソフトウェアポーリングにより即時処理を行います。これにより「精度」の錯覚ができていても、ストレス下での機械的反応とは異なります。

楽しさより信頼性：虚偽シミュレーションの危険性？

ドローンレーシングアプリでの「空中戦」モードなどにより、「武器化されたドローン」を使った模擬戦闘訓練が普及しています。FAA規制を超えた急旋回試みも報告されており、仮想空間にも安全網はありません。

「忠実度がないシミュレーションは怠慢を生む」 — NASA技術報告 #2024-06748 「航空シミュレーションにおける人間要因」

変えるべきこと：

業界にはオープンソースな物理検証フレームワークが必要です。「勝利ストリーク」「空域報酬」のような収益構造ではなく、「正確さ」と「安全性」に基づく開発が必要です。

• 風洞試験データを使って抗力をモデル化,
• 慣性結合を正しく再現,
• AoAに基づいた適応的ステップ時間アルゴリズム導入, などによってリアルさを損なわずともエンゲージメント維持を目指すべきです。

私たち開発者・ユーザー共に問うべき問題があります—— 「私たちはツールを作っているのか？それとも幻想を作っているのか？」 The sky deserves better than digital fantasy disguised as expertise.